理念
人間への深い愛と理解、社会の福祉に対する奉仕
基本方針
- 患者さんの人格を尊重し、治療・看護を行います
- 地域精神医療の向上に尽し、良質な医療・福祉を提供します
- 精神科救急医療体制の充実を図ります
- 社会福祉の促進を図ります
研修目的
精神医学の幅広い分野で診断および治療の技術を身につけ、精神保健指定医と精神神経学会の専門医の両資格を取り、精神保健福祉法上も精神科臨床も共に充実した精神医療ができるようにすることが目的です。
近年、うつ病、認知症、思春期児童疾患の患者数の増加が顕著で、当院での外来患者数も年々増加の傾向にあります。さらに精神医療への需要が増す一方で、精神科医の人数は、絶対的に不足しています。従って、当病院の研修プログラムを受け、精神保健指定医を修得し、さらに学会の専門医の資格も得て、精神科医として活躍することが可能です。その上で現在増えつつある薬物依存、人格障害等にも十分に対応することが可能と考えます。
当院の特徴
当病院は昭和32年5月開設、平成20年に50周年を迎えた精神科病院です。病床数は399床、7つの病棟がありそれぞれ機能分化されています。その内訳として身体合併治療病棟(64床、H29.05.01より特殊疾患病棟に変更)、精神科救急入院料病棟が2棟(60床、35床)、認知症治療病棟、特殊疾患病棟、精神科一般病棟、精神科回復期治療病棟が各60床となっております。また北海道では初めて、全国では22番目に開設された精神科救急入院料病棟(スーパー救急)を有しており、看護部門では精神科クリニカルパスを全国でもいち早く導入、精神科医療においては常に最新の情報を取り入れ日々の業務に専念しております。この為、道北地区の精神科救急に幅広く対応も可能で急性期精神疾患の症例等も豊富に診療する事ができます。更に精神科デイ・ケアセンター、宿泊型自立訓練施設、グループホーム、ケアホームを運営している事も特徴で退院後のアフターケアも当院関連施設で充分な対応が可能、また社会復帰に向けて職員が一丸となってチーム医療に参加している事も特徴です。これによって精神障がいの急性期から、回復後の社会復帰に至るまで総合的に精神障がいの治療・リハビリテーションが行えており、研修医としてそのいずれの時期もつぶさに関わることができます。マンパワーの面でも作業療法士20名、理学療法士13名、言語聴覚士1名が在籍し道内精神科病院でのリハスタッフ数はトップクラスです、また精神保健福祉士38名、公認心理士13名、保健師19名が社会復帰促進のために精力的に活動しています。更に薬剤師、看護師、管理栄養士、介護福祉士、臨床検査技師など専門分野のスタッフとの連携が取れます。
研修内容と到達目標
研修期間は原則3年間です。初期の3ヶ月間は基本研修期間として、主に指導医の初診に陪席し、予診をとっていただいて、その後の診断・処方などの基本的な手法を学びます。また初期の1ヶ月間は、当研修で用意されたクルズスのうち、ご自分が希望されるものを受けることができます。
基本クルズスについて
- 統合失調症について(診断から臨床的知見など)
- 気分障害について(診断・治療・近年の臨床・知見など)
- 認知症について(疫学・診断・治療・臨床知見など)
- 睡眠障害について(診断・治療など)
- ストレス障害について
- 児童・思春期精神障害について
- 各種検査法(脳波・頭部画像診断)
- 精神保健福祉法について(法律の骨格・実務について)
- 臨床精神薬理(基本的な薬の使い方・薬物動態について)
- 心理テスト(臨床心理士による心理テストからの診断・知見など)
到達目標
1年目
臨床:一般的な精神疾患と身体疾患に関連した精神症状の病態を正確に理解し、的確に診断して治療法を選択できるようにする。具体的には前述の専門医や指導医のもとで、10名前後の入院患者を受け持ち、診療にあたる。
臨床研究:臨床を通じて研究テーマを選択し、日本精神神経学会に年一回の研究発表を行う。
2年目
臨床:すべての精神疾患と身体疾患に関連した精神症状の病態を正確に理解し、的確に診断して治療法を選択できるようにする。
臨床研究:臨床を通じて研究テーマを選択し、日本精神神経学会、日本老年精神学会に年一回以上の研究発表を行う。
3年目
臨床:例外的な症例についても病態を正確に理解し、的確に診断して、治療法を選択できる。また、保健、医療、福祉の幅広い職種と協調してチーム医療を行うことができるようにする。具体的には、困難な症例は別として、指導医の指導を離れて自分で診断・治療にあたれる事を目標にする。
臨床研究:2年間で得られた臨床研究の結果を論文発表する。後期研修終了後、必要であれば国内のほかの精神科医療機関への国内留学も可能です。
提供可能な研修プログラム
- 患者及び家族との面談
- 疾患の概念と病態の理解
- 診断と治療計画
- 補助検査法(神経学的検査、心理検査、脳波、CT・MRIなどの画像診断)
- 薬物・身体療法(修正型電気けいれん療法など、当院では豊富な臨床実績があります)
- 精神療法
- 心理社会的療法、精神科リハビリテーション及び地域精神療法)
- 精神科救急(豊富な臨床実績があります)
- 法と精神医学(鑑定、心神喪失者医療観察法など当院では豊富な臨床実績があります)
経験可能な症例
- 統合失調症
- 気分障害
- 児童・思春期精神障害(摂食障害含む)
- アルコール、精神作用物質による精神障害
- 症状性または器質性精神障害、認知症
- 人格障害、不安障害、身体化障害、ストレス障害
治療場面別
- 救急・当直例
- 行動制限例
- 地域医療別
- 合併症・コンサルレーション例
- 司法精神医学例
治療形態別
- 任意入院例
- 非自発入院例(医療保護・応急入院)
- 措置入院例
- 外来治療
- リハビリテーション