先月開催された日本精神科病院協会の作業療法士部門研修会について伝達講習会を行いました。今回は認知症の作業療法についての報告でした。
何十年ぶりに雑巾を縫う、包丁でダイコンをいちょう切りする、米を研いだことをきっかけにそれが日課となり、自信を取り戻されていく方にお会いすることがあります。
縫い物のように指先からの感覚を頼りに繰り返しながら習得されていった技術は、運動として長期に保たれやすく、縫い針を手にしただけで指の動きが自動再生されやすい特徴があります。こうした手続き記憶の特徴を活かして、関連した記憶や当時の感情が甦るような回想療法のアプローチが紹介されました。