専攻医ブログ

医者として何を専門として何処で働くか

私、後期研修医を最近終えて現在は通常の常勤医として働いている40歳台前半の医師です。振り返るとこのような40年ちょっとの人生を過ごしているとはまったく想像していませんでした。人生って、どこでどのように進んで行くかわからないものだとしみじみ感じております。

医学部の学生になる前は、「赤ひげ先生」みたいな医師像にあこがれて医学部に入ったものでした。それが色々な出会いや経験があり、循環器科の医師に憧れてその道に進もうとしたり、血液腫瘍疾患の診療にやりがいを感じてその道も考えたり。その後、子どもの発達障害の診療に触れ、その道に進み、さらに成長したいと考え精神科後期研修医となり、今は精神科常勤医として働いております。

そんな自分の歩みを振り返り、「何を専門として働くか」ということも色々な選択肢があると感じておりますが、「何処で働くか」ということも、人生の中で、非常に大きな選択肢ですよね。

私はわりと(かなり?)多動な特性があると最近(今更?)実感しております。そのような特性がある私が長年憧れていた勤務地は、実は北海道ではなく、沖縄や伊豆諸島でした。学生時代に、色々な病院で見学や実習をさせて頂きましたが、伊豆諸島の八丈島の病院が非常に印象深く、いつかはこのような地で仕事をしながら生活してみたいという強い思いを今まで抱いておりました。病院からすぐ近くに美しく穏やかな海があり、いつでもすぐにマリンレジャーができる環境がうらやましくてうらやましくて。そんな憧れ、引越し願望を抱きつつ北海道で医者生活を、20年近く続けておりました。

しかし最近になり、後期研修医+イクメンとして、あたふた過ごす日々も終わり、ちらっと余裕が生まれました。それで今年の2月、平日の午前中に有給をとって近くのスキー場に一人で行ったのです。病院からスキー場は車で20分弱でした。

平日の午前中、道北地方のスキー場はパラダイスでした。ガンガン滑って派手に転んでも、直滑降で猛スピードを出しても、周りには誰もいません、人に迷惑をかけることはまったくありません。リフトはすぐに乗れます。仕事のことも家族のことも忘れ、ゲレンデを爆走しまくること2時間、お昼前にはもう十分に満たされ(体力的にもそれ以上は滑れず)、おとなしく病院に出勤し仕事につきました。

道北の夏は、過ごし易いとも言えますが、あまり暑くないため休みの日に海水浴に行っても海水温が低くて泳げないなんてことも珍しくありません。せっかくだからと根性で泳いだりもしますが、レジャーでなく修行になってしまいます。それで夏になると八丈島の病院を懐かしく思い出し、引越し願望が湧き出たりするのですが、でもたった20分でスキー場に行けてパウダースノーを堪能しまくることができる今の生活も、実はすごく贅沢な環境なのかなと思う今日この頃でした。